岩手・宮城内陸地震、災害医療救護ボランティア活動について

さて、この度の「岩手・宮城内陸地震」による被災者の避難所におきまして、特定非営利活動法人「みやぎ災害救援ボランティアセンター」医療救護班として接骨院ボランティア宮城が宮城県社会福祉協議会並びに栗原市社会福祉協議会からの要請を受け、下記の通り災害医療ボランティア活動をさせていただきましたことをご報告申し上げます。
 

■期間
H20/6/19(木)から6/22(日)
H20/6/24(火)から6/29(日)まで(延べ10日間)
日本赤十字社などの避難所撤退に合わせ6/22で活動を終了するも、被災者の方々からの活動継続の要望が多く、栗原市社会福祉協議会からの再度の要請により、6/24から再度活動を開始いたしました。
 

■場所
●花山 石楠花(しゃくなげ)センター(6/19~6/22,6/24~6/29)
栗原市花山字本沢北ノ前77 TEL:0228-56-2850

●栗駒 伝創館(6/27,6/29)
栗原市栗駒岩ケ崎松木田79 TEL:0228-45-5000

●栗駒 文字藍の館(6/28)
栗原市栗駒文字角ヶ崎67-1 TEL:0228-47-2731
 

■対象
花山 石楠花(しゃくなげ)センター110名
栗駒 伝創館40名
栗駒 文字藍の館5名の避難所で生活する被災者及びそのボランティア
 

■活動内容
花山石楠花(しゃくなげ)センターは、ベッド2台、栗駒 伝創館、栗駒 文字藍の館は、ベッド各1台を設置し、各避難所内にブースを設置し活動を行なった。 主な活動は、災害時の転倒や避難時における捻挫や打撲、挫傷などの外傷に対する治療と処置。また、慣れない避難所生活や家屋の片付けなどによる筋強直や全身疲労に対する柔整マッサージ(柔道整復師が治療を目的とし後療に用いるマッサージ)を施した。
 

■活動結果
花山石楠花(しゃくなげ)センター:延べ126名
栗駒 伝創館 :延べ 20名
栗駒 文字藍の館:5名
合計 延べ 151名に治療を施した。

年代別にみると80歳代、50歳代の利用が多く80歳代では、震災時の外傷や避難所生活による二次的な症状が多く、50歳代では震災時の外傷のほかに一時帰宅時の作業によっての症状が多くみられた。

今回の災害医療ボランティア活動で被災者の方々から、多くの感謝のお言葉や喜びの声を聞くことが出来ましたことをうれしく思っております。また、それにより一定の成果が得られたものと確信しております。

今回の活動では、避難所生活での二次的な疾病として重要視されております「エコノミー症候群」に対しても柔整マッサージを施すことで全身の血流を促進させることで大いに予防効果が期待される。さらに避難所生活をおくる障害者や高齢者に現れやすい「廃用性萎縮(非活動性萎縮)」には、日頃からスポーツ選手などに用いる運動療法や骨折などによる固定後の関節硬縮を改善させる運動療法を用いることで、その予防や治療が期待できる。今後の活動においては、日常業務で得意とする技術を発展させ、日本赤十字社や保健師さんなどとの関係を密にし、避難所生活における二次的疾病に即した活動にも積極的に取り組んで参りたいと考えております。