第3回宮城県「柔道整復学」構築学会(平成20年6月15日)


特別講演Ⅰ
東北大学大学院医学系研究科
高次機能障害学分野教授
医学博士 森悦朗先生


特別講演Ⅱ
独立行政法人 理化学研究所
バイオリソースセンター微生物材料開発室長
農学博士 辨野義巳先生


学会会長講演
学会会長
医事評論家 水野肇先生

平成20年6月15日(日)第3回宮城県「柔道整復学」構築学会が、仙台国際センターにおいて開催されました。

本学会は、柔道整復師業務を科学し、整理体系化しながら「柔道整復学」を構築することを目的としています。それは、私達の業務を「学問」として整理することで、これまで社会の中で存在を許された業種として当然の責務です。さらに、社会より受けた恩恵(利益)を、地域貢献(社会貢献)として還元することになります。専門集団が科学的証明を目指し、集団としての成熟や目的達成に向け努力する事は、社会の利益となり、社団法人として存在する環境の一因を、担保することになると考えています。また、中央(接骨医学会や日整)としてやるべき仕事と、地方でやるべき仕事、やれる事を考え、宮城として担当すべき問題や追跡可能と思われる課題に取り組み、「柔道整復学」の構築や基礎資料の集積を目指しています。

今回の学会の特色として、当会が「柔道整復学」を構築する立場で取り組むために設置しました、「柔道整復学構築研究委員会」の中間報告として、「柔整独自の方法論」をテーマに、「研究方法の確立」、「柔整独自」、「専門性」について、評価方法の現状把握を専門家集団として証明すると共に、柔整独自の用語を整理しながら専門用語としての位置付けを研究発表させていただきました。このことは、今後の会員発表における、医療人共通概念としての専門用語の基準となり、意義ある重要な研究発表であったと思っています。

さらに、新たなる試みとして、一般参加型の市・県民講座を設け、「震災に備える応急処置と救命手当実技講習会」を開催しました。これは、出来るだけ多くの一般の市・県民の皆様に受講していただき、いざという場面における第一次救護の重要性や、実際を想定してのトレーニングの場を提供すると共に、より一層私達柔道整復師の治療を正しく認識、認知していただくことによって治療選択肢が拡大し、安心を提供することが出来ます。結果、救急医療現場での混乱の回避や、医療機関における適切及び速やかなる救急救命治療への棲み分けに繋がることをさらに期待し、当会公益事業の一環とする、公益法人の社会的責任の履行として企画したものです。

特別講演では、東北大学大学院の森悦朗教授による、「知っておきたい認知症の知識」というテーマで、私達が治療、または介護の分野で遭遇しやすい「認知症」について学びました。 特別講演では、テレビ等でおなじみの、辨野義巳先生による「うんちが語る腸の老化」の講演をいただきました。さらに、当学会会長の医事評論家水野肇先生による「学会会長講演」。統一テーマによる「学生研究発表会」。日本超音波骨軟組織学会と日整会員がコラボした、「超音波機器導入による柔道整復治療の有効性」について。理学療法分科会では「画期的な合成樹脂副子による固定具の作成」について。

そして、医療機器展示会と多彩な内容で、参加頂いた会員、準会員、学生、県内・県外の柔道整復師、一般の市・県民の皆様方に非常に高い評価を頂きまして、大盛会に終了することが出来ましたことをご報告いたします。